EUと日本と添加物。

『添加物』このワードが頭から離れない。それゆえに眠れない!というわけで、ネットで調べてみました。

先日のドイツ訪問で親方がMilzwuerst(アオフシュニットの仲間)を作っていた際、『Milzを塩蔵する時、NPSが使えなくなった。』と嘆いていた。

少し聞きなれない言葉が続いたが、Milz(ミルツ)とは脾臓、NPSとはNitritpoekelsalz(亜硝酸入りの塩)だ。ドイツではいわゆる食塩と亜硝酸入りの塩が存在し、用途で使い分ける。日本では『亜硝酸入りの塩』は許可されていないため、食塩に亜硝酸を加えることになる。

さあ、彼が言っていた意味とは?それは、現在EUという枠組みができたおかげで、EUとしての法律、きまりが各分野によって統一され整えられつつある。それが、添加物にも及んできたということらしい。

このソーセージを作る場合、脾臓をピックル液(スパイスを煮出した液に亜硝酸入りの食塩を混ぜたもの)につけておく。こうすることによって発色する。発色するとは、熱を与えても安定した赤色が保たれるという意味だが、ハムなどを想像すると話が早い。普通の肉を火に通せばグレー色になるがハムはピンク色だ。

その脾臓をソーセージの生地に混ぜ込み太物のアオフシュニットにしていくわけだが、この場合の生地は亜硝酸入りでない普通の食塩を使用する。というわけで、普通の塩から作られた物と、亜硝酸入りの塩で作られた物は混ぜてはいけないということらしい。

これは、アオフシュニットをスライスした時、色が良くないということで非常にやりづらいことだと思う。

さてさて、ではどれほどの添加物が許可されているのだろう。ドイツ語で添加物(Zusatzstoffe)と検索してみた。

すると、zusatzstoffe-online.deというサイトを見つけた。僕が居たころはまだ、ドイツの法律とEUの法律が混在しており、どちらともとれる曖昧な状況(相反するものが存在する)だったが、どうやら2008年1月、2009年1月と決定、改定、補足と着実に統一されてきているようである。

ありがたいことに、僕の質問したいことがサイドバーのところに『良くある質問』として掲載されていた。

『いったい、どれだけの添加物が許可されているのですか?』

答えは316。この数字をしっかりと覚えていただきたい。ここには、天然の香料や色素も含まれる。全てはE-Nummerとして表示される。E以下が数字で表され、それはどういったものなのかという数字化、記号化である。例えばE160aとはカロチンである。天然の色素、香料、抽出液が含まれての316。果たしてこれは多いのだろうか?

同時に『食品添加物』と今度は日本語で調べてみた。すると日本食品添加物協会なるものが存在するらしい。ホームページ自体の形式はドイツのそれとそこまで変わらない。

興味のある方は見てみるといいと思うが、食品添加物は4つに分かれている。指定添加物、天然添加物として既存添加物、天然香料、一般飲食添加物。

実際に現在までに許可されているものは、指定添加物で407、既存添加物で418。天然香料は約600と表示。一般食品添加物で約100と表示。合わせると1500越えだ。天然香料と一般飲食物添加物を引いても825。

2つ目の質問は『ビオ商品には添加物は入っていないのですか?』(続けてドイツのサイト内。)

答えは、『絶対ではない。』

これは、僕が実際にビオ商品というものに憧れを持っていた時のことである。ビオと聞くとどうしても、添加物が入っていないとか、そんな期待を持ってしまう。僕が今お店で言い続けていることでもある。ビオと書かれた商品を手にし、裏の表示を見てみた。裏の表示を見るのは幼いころからの習慣になっており、今でも何気なく見てしまうのである。ドイツでの修業時代、スーパーでこのようにビオ商品の表示を見て失望した・・・。それから、ビオの定義とは何か考えさせられることになった。

ドイツのそのサイトには約50もの添加物が許可されていた。マイスターの学校で習ったいわゆる表示義務の無いもの、あえてここではリンに変わるもので表示義務の無いものが目に付いた。その50の添加物のどれもが、先程の日本の分類でいう天然香料や一般飲食物添加物に含まれるようなものだが、ビオという名に、無添加を想像する人も多いのではないだろうか?

この50のリストのうち、右側にチェックのあるものは、有機農法にも使用できるものらしいが、有機農法に使用できるものは食品に直接添加するものよりも少ない。

許可されるものは時によって変わる。前まで許可されていなかったものが許可されることもあるが、その逆もある。それはEUも日本も同じ立場で許可数は変動していくものだが、しかしながら、この差は一体何なのだろう?

以前『日本の場合、添加物単体での危険性については調べるが、添加物が2つ以上合わさった時の危険性を調べていない。』というような記事を目にしたが、その差なのでしょうか?真相は分からないが・・・。

やっぱり、親が子に対してそういったものに気を配り作ることが一番安全だと確信してしまう。そうであっても一つの調味料の中に含まれているかもしれないが、劇的に減らすことは可能だと思う。添加物って本当に危険なのか?僕なりの仮説はあるが、それはまたの機会に呟いてみるとして、食育が単なる流行りに終わらないように祈るばかりである。(この仮説は、単なる僕の仮説ではありますが、アミノ酸と表示される味覚増強剤とかって呼ばれるものについてです。それが、脳に及ぼす影響についてです。もう一度言います、あくまで僕の勝手な仮説です。)

書き始めて2時間・・・すっきりして眠れるかなと思いましたが逆に熱くなって眠れそうにありません。それでは、失礼いたします。

コメント

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■ こんにちは。 ドイツの・・・

こんにちは。
ドイツのソーセージに使用されている食品添加物について調べていたら、こちらにたどり着きました。
ドイツに来てまだ日が浅いのですが、こちらに来てソーセージを食べる機会がかなり増えました。
日本にいる時には、「ソーセージは添加物のデパート」と聞いた事があり、子どもにはほとんど与えないようにしていました。与えるとしたら、色の悪い、添加物無添加もしくは最小限のものでした。
こちらに来てみたら、スーパーなどではやはり日本とおなじような色のソーセージがたくさんありますが、こちらの小学校では給食制度がないために、罪悪感をかんじながらも子どものお弁当に入れる機会が増えました。
BIOの商品にも添加物がたくさん入っているものもあると知って、驚きました。
比較的安全なソーセージはどういったものか、ご存知だったら教えていただけませんか。
子どものお友達の私よりも長く住まれているお母さん方と話す機会がありましたが、そういったことを気にする方がおられず、情報が得られませんでした。
スーパーでなく市場など個人で販売しているもののほうがましなのでしょうか。
ちなみに住んでいるのはミュンヘンです。
chee | 2013-03-22 19:38 |
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