当店のマイスター

たどり着いたのは100年前のドイツ…世界一安全な加工品を作るドイツよりも、より安全なものを。本物とは?考えさせられる加工品を作り続けていきたい。ドイツ国家認定食肉加工マイスター 秋田 健博


地元の大学を、休学・中退後、プロサッカー選手を目指し渡独。

約3年間、チームに所属するが、膝の怪我と年齢面からサッカーを続けることを断念する。

サッカーを辞める、その決断を下した日のことは今でも忘れられません。

あれ程、一途にサッカーに情熱を燃やしてきた日々でしたが、そのたった1日でその情熱は一気に冷めました。

その後、日本に帰国する選択をせず一人バイエルンに残りドイツの徒弟制度の一員になります。(マイスター制度)

周囲からは猛反対を受け、両親には勘当されるがバイエルン州のキーム湖の畔にある食肉加工店の老舗Kunzにて修行を始める。(Prien am Chiemsee)

ドイツではマイスター制度の下、修業を始め弟子・職人更にはマイスターへとステップアップしていきます。


その後も順風満帆という事は無く、部屋を追い出され屋根裏に住んだり幾度となく引越しを余儀なくされたり・・・

唯一の理解者であった祖母の死を、この時代に電報で受け取るなど色々なことがありました。本当にローマ字で電報が届いたときは、ローマ字が故、本当にその事が書かれているのか何度も読み返したことを覚えています。


修業時代に受取る給料の半分以上は高いとは言えない家賃に費やされ、それでも夢だけを持って修業時代を過ごしました。

布団も何もない部屋で、日本人の先輩から頂いたシュラフで寝て、洗濯は手洗いという時代もありました。

家賃も給料日まで少し待ってという事もありました。

夢以外は文字通り何もない生活だったのを思い出します。


その後何とかゲゼレ(一般に言う職人の位)の試験に合格。

その後、バイエルン州のLandshut(ランヅフート)にあるマイスター養成施設で世界で最も歴史のある養成施設に入校。

私の親方マイエルもこのマイスター養成施設修了者という事で選びました。

Landshutにあるそのマイスター養成施設は世界で最も歴史があり世界各国からその証書を求めて学びにやってきます。その時、ホストファミリーのもとで一緒だった仲間に何故この施設でマイスター証書に挑戦するのか尋ねました。


何故なら、彼の住む町の近くに他のマイスター養成施設があったからです。

『ここの証書を持っていれば世界中どこでも働ける。』

彼の答えははっきりしていました。

実際にドバイやアメリカ、世界各国からの求人が張り出されていました。

量・質ともにとても高いレベルにあった授業で寝る間も無いような状態・不安の中でしたが無事1回目で合格。

その施設でマイスターになったのは当時日本人で2人目。

(試験は3回まで受験できる。3回不合格となると、不適合とみなされその後の人生で2度と受験することは出来ない。)

帰国後2009年10月16日にAkitaHam開業。


キームゼー

素晴らしい景観・キーム湖

キーム湖は日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、ヨーロッパでは人気のある保養地。シンデレラ城のモデルにもなったと言われるドイツ・ノイシュバンシュタイン城を建てたルートヴッヒ2世が最後に建てた城が湖の島(ヘレンキームゼー)に残っている。城は未完成。
ドイツには他にも有名な湖があるが、個人的にはこのキーム湖が一番美しいと思います。 その景観からか、各界著名人も湖の畔に別荘・住居を所有している。

プリーンの町 Kunzの皆さんと

修業先 Kunz

我が修業先Kunzは120年以上続く老舗。今もなお家族経営を貫く。

老舗というだけでなく所謂一般的な食肉加工店とは一線を画すお洒落でハイクオリティー、モダンな食肉加工店です。

日本でお客さんになってくれたドイツ人と修行先を訪ねた時もとても驚いていました。

本物の加工品に慣れ親しんでいるドイツ人にとっても特別な『専門店』だったのです。

EUにおいて様々な法が整備される中、食肉加工においてもその波が押し寄せる。
それにより多くの個人店・中堅の加工店が、と畜を断念する中、今も尚、昔の作り方を変えない、新鮮な肉を加工するという強い想いから週明けにその週に使う家畜を全て職人たちが責任を持って、と畜・脱骨・加工を一貫して行っています。

当店のマイスターとして

コンテストに出場しない理由

職人は、日々の仕事の質を高めていくことが第一だと考えます。ドイツで修業し暮らしてみて、本当に質の高い仕事をしているマイスターたちは、コンテストに出場することを考えない人たちでした。これは日本でも同じことが言えるのではないでしょうか?日々の仕事に熱中し、昨日よりも今日、今日より明日と僅かに成長したかどうかも分からないような中で、より高みを目指していくのが真の職人だと信じてやみません。

ドイツでのコンテストも、賞の好きな日本人の為の興業的なものとなっていると思います。殆どのコンテスト参加者は日本人であり、高額な出場費を出してまでも出場するのは、賞の好きな日本人消費者が多い、と言う事に他ならないからだと思います。

コンテストに出場しない理由は、多くの消費者に真実を見抜いて頂きたい為です。これからも確かな情報を発信していければと思っています。

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